2020年5月11日月曜日

ウイルスと共に生きる

世界で400万人に感染が広がったCOVID-19、新型コロナウイルス。

環境学者の石浩之さんによると、ウイルスは40億年も前から地球上に存在していて、人類20万年の歴史と比較するとずっと先輩であり生存力が強いと言えます。

またコロナウイルスは紀元前8,000年頃から存在し、60年前には風邪のようなウイルスとして見られていたそうですが、その後変異、進化を続け、まさかこのようなパンデミックを引き起こす存在になるとは誰も想像できなかったことでしょう。

原因は諸説ありますが、野生動物を宿主とするウイルスが自然破壊により人と接近した結果、食肉や昆虫を通して人に伝染するようになった説を私は支持しています。

そして、便利な都市部への人口集中が感染クラスターを数多く引き起こす要因となり、
経済に欠かせないグローバル化が皮肉にもパンデミックを加速させました。

日本は典型的な大都市集中型の超高齢化社会なので、ウイルスにとっては子孫を増やすには格好の環境かもしれません。

一方で、感染症に対する国家戦略や対策はお粗末であったと言わざるを得ません。
医療システムや衛生レベルは世界最高水準なのに残念なことです。

前述の石氏によれば、感染症の戦略本部とも言える国立感染研究所は米国のCDCに比較して人数で1/30(300名)、予算で1/10(80億)と驚くべき低い予算しか割当されておらず、それも10年間コストカットの対象であったようです。

政府は経済対策として比較的短期の市場経済に傾倒するあまり、国民の命を守るための
中長期の感染戦略の投資に対してバランス感覚を欠いたということです。

アフターコロナの経済V字回復に向けて、オリンピックはじめ多くのインバウンド誘致に力を入れると表明しているものの、感染対策を完備していない国がどのようにして海外から人々を受け入れるのか、よく考えなければなりません。

これからの時代を、私達はどう生きていけばよいのでしょうか?

今回のパンデミックが終息したとしても、今後も新たなウイルスが発生し、対峙しなければならないということはこれまでの歴史から学んだことです。

人が中心の社会でなく、ウイルスと共存し、自然と共存する意識が大切だと思います。
そのためには自然のメカニズムに従わなければなりません。

経済活動もしかり。人が中心の市場経済はウイルスの前でほぼ無力なのです。
自然科学に基づいた新しい経済の形が求められていると痛感します。

自然と経済、相矛盾する2つを融合させた新しい経済の形。
私たちはそれを「自然資本主義」と称して模索、挑戦、実践を続けています。

人は、対処療法としての薬だけではなく本来の免疫力を取り戻すことも必要です。
自然が人に与えた「チカラ」を今まで以上によみがえらせればよいのです。

何が人の「チカラ」を弱らせているかといえば

―睡眠不足
―過度なストレス
―偏った食生活
―不要な添加物の摂取
―運動不足
―環境破壊

「自然に反する」ことばかりですね。
人も自然の中で生かされている以上、自然に逆らう生き方は続かないのです。

これからの働き方は、都市を避けてオフィスを都市近郊に分散させるほうが良いでしょう。テレワークを適度に取り入れれば、過密通勤によるストレスも減り、時間も節約でき、環境負荷も減らせるはずです。

STAY HOMEのお陰で空気が澄み、空が青くなった気がします。
花粉症の薬を減らせたのは排ガスが減ったからだと感じたのは私だけでしょうか?

私たちの企業理念「自然とともに生きる」がこれまで以上に求められていると感じます。
これは「ウイルスとともに生きる」と言い換えることもできます。

自然の摂理に沿って栽培し、自然の創る恵み、栄養素を壊さず、汚さずに食品として届けることが、人々の「チカラ」をよみがえらせる一助となると信じて。