同大学の長谷川教授とは長いお付き合いで、2009年から10年以上講義をする機会をいただいていますが、オンラインでの実施は今回が初めて。毎回多くの学生が参加してくれ、アグロフォレストリーとフルッタフルッタの経済活動について関心を持ってくれるのはうれしいことです。過去に参加してくれた学生のなかには、実際にアマゾンへ渡り、アグロフォレストリーを実体験してくれる熱心な学生も十数人ほどいました。
いま耳を傾けてくれている彼らは、Z世代と言われるジェネレーション。現在の経済社会をを生きる彼らの感性は、「自然とともに生きる」自然資本主義の考え方を理解し、経済のあり方を変える「改革者」になる。私は毎回、このように信じて話をしています。
今年はコロナ渦の状況で、リモートで一人ひとりの目を見て話すといったことができないため、ちゃんと話が伝わるだろうかと心配でしたが、結果は真逆で、今この時期だからこそ、多くの学生が当事者意識をもって熱心に耳を傾けてくれたようです。
「新型コロナの感染拡大と地球温暖化は無縁じゃない。自然のメカニズムに逆らった結果だと思う」
冒頭からこう切り出した私の言葉に、若い世代の人たちも同じ感覚を持ってくれているのか、共鳴してくれているようでした。講義を終えて、学生からいただいたうれしいコメントを大学に許可いただき、抜粋して紹介させていただきます。
「この講義を聞いて、何も深く考えずに買い物をするのをやめて、しっかり環境に配慮されているものを中心に購入するべきだと考えが変わりました」
「環境と共存しながら経済活動を進めていくリアルな方法を知り、消費者としても意識を変えていこうと思いました」
「単一栽培で荒廃した土地を経済活動をすることで回復させる。人と自然が共存することがアグロフォレストリーの成功にとって大切なことだと学びました」
「アグロフォレストリーは、経済活動が動くことにより自然が回復し、農業と経済活動が共存していくというのがとても重要。これから私たちが目指すものであると感じました」
「結局自然には勝てないとおっしゃっていた言葉が強く印象に残りました。こんな時代だからこそ、自然から学べることはまだまだたくさんあるような気がしました」
「元来資本主義経済は多様性を嫌っている。これは多様性は非効率的でありその現状を変えていく必要があると思いました」
「経済活動が継続的に行われていることで自然が回復している、という言葉が1番心に残りました」
「経済活動が進むことで70%のバイオマスが回復したとあり、経済と環境が共存できる取り組みを行っていることが純粋にかっこいい。健康にも満点なアサイーを消費することで自分も自然との共存に貢献したいです」
「マーケットの消費者である私たちは様々なメディアを通して流行に影響され購入しています。持続可能な社会のためにスーパーフードを一種の流行の珍しいモノと捉えるのではなく、志向を変え継続して購入することが望ましいと感じました」
「自分たちの利益だけでなく、世の中のためになるような企業があることに驚きました」
「自分も環境のためにビジネスで貢献したいです」
みなさんが自然と共生して健やかに暮らすために、私たちは正しい道を作らねばなりません。