本日、還暦を迎えました。
ここ数日は、父が還暦を迎えた頃を思い出し、ついに自分の順番がきたのかと不思議な気持ちで過ごす日々で、心では「まだまだ」と思う自分がいますが、孫もできた現実を見つめると、着実に年を重ねていることは否定しようがありません。
この日を迎えるにあたり、特別な準備もすることなく、自分なりの自然体でいよう思っていましたが、どこかで残された時間を意識するのか、ふと、これまでの人生でやり残したことはないかと振り返る気持ちが芽生えました。
アマゾンで森を作る農業・アグロフォレストリーを運営する開拓者たちと出会ったのが2000年。この出会いをきっかけに、自然と人が向き合い、持続的に発展できる未来の経済のあり方を確立させようと決意してから約20年、自分が信じる経済モデルを構築するために走り続けてきた人生に、やり残したという後悔はありません。
しかしその過程では、多くの代償を払ってきたことも事実です。親の期待に応える選択ができなかったこと、家族との大切な時間を犠牲にしてしまったこと、仕事の場面でも人と衝突し、分かりあえずに相手を傷つけることもありました。会社が前進するための改革では、試行錯誤の中で優秀な仲間を失ったりもしました。
今、還暦という節目を迎えるにあたり、そうしたたくさんの犠牲の上に、今の自分が存在しているということを改めて真摯に受け止めています。
私を支えてくれた家族、友人、そして現在、過去すべての社員の皆さん、本当にありがとう。また、多くの投資家、株主に恵まれなければ、絶対にここまで走ってはこれなかったことも痛感しています。
環境破壊が新型コロナウイルスを生み、経済は自然の逆襲の前に脆くも崩れ去りました。もはや、経済ファーストでは人類が発展できないことは明らかです。いまなお、自然とともに生きる、アマゾンで学んだ考えは間違っていなかったと思えます。
幸い、気力と体力はまだ40代?残された人生は、私に夢を懸けてくれた人々に報いるために、力をふりしぼります。
アグロフォレストリーによる自然資本主義の実現は、決して私一人で成し遂げられる目標ではありません。より多くの人に知っていただき、共に推進し、未来へつなげていくような循環サイクルを作るまでまだまだ走り続ける必要があります。
どうかこれからも皆さんのご指導、ご支援、ご鞭撻をよろしくお願いします。