2016年4月25日月曜日

最後に残るのはブランド

先日、知人との会話の中でハッとさせられたことがありました。

その方は以前省庁が主催するシンポジウムでパネラーを務めた時にご一緒した方で、
仕事を離れて飲みましょう!ということで一席設けました。

そこで突然、

「フルッタフルッタさんは変わらないのがいいですよね。
ほら、アサイードリンクの容器がカートカンを使用していて、それをずっと続けている。
容器を見ていつも関心するんです。」

と言われ、CSR関係のお仕事をされているので着眼点がさすがだと思いましたが、
そうやって評価してくれる人もいることに気づかされました。


カートカンとは、日本の林業衰退を食い止めようと国産の間伐材を30%以上使用した
エコ型紙製飲料缶です。

木を切って林業を振興するとは矛盾を感じるようですが、間伐を促進することで森に光が入り、
間伐材の利益も得られて健康的な森が保たれるという好循環を生み出します。

フルッタフルッタでは2010年にカートカンの利用を始めました。

当時はまだ使用メーカーが少なく、飲料売場でもなかなか見られない容器でした。
あったとしてもリーズナブルな飲料で使われている例が主で、
小売のバイヤーからも250円以上もする商品には適当ではない容器と評価されていました。

ですが、従来のキャップ付きボトルでは300円もしていた商品が、
カートカンに替えることでコストダウンを実現。
それまで導入を踏みとどまっていた小売店から発注をもらえるようになるなど、
徐々に拡販が進んでいきました。

ちょうどアサイーの知名度も上昇傾向にあった時期でもあり、
導入店が増えるにつれ店頭でのカートカン率も伸びていきました。

容器メーカーの中では、不採算事業だったそうですが、
次第に製造数も他社からの採用も増えて工場のラインはフル稼働。
アサイーの製造が危ぶまれるシーンすらありました。

カートカンは一気に売れっ子容器に成長し、
当時の担当営業の方が社長賞を受賞したというエピソードもある程です。

そんなカートカンにまつわる出来事を思い出しながら、
自分達が知らぬ間に忘れかけていた大事なことに気づかされました。


なぜ我々はカートカンを採用し、使い続けるのか?

それは、フルッタフルッタの企業理念が「自然とともに生きる」だからです。

アグロフォレストリーで栽培されたアサイーや他フルーツを一部使用し、
原料と容器の両方で森の再生を手伝っています。

自分達の経済活動が自然と共存できる手法であること。
私の理想とするグリーンエコノミーの世界観です。

もっとスマートで便利な容器は幾らもあれど、森と繋がる容器はこれしかない。
移り変わる流行よりも自分たちの不変の信念を大切にしたい。

それがフルッタフルッタの本当のブランド価値なのだと思います。

私達の取組みをどこかで見てくれている人がいることを知り、勇気が湧きました。


ブランドとは、消費者がその価値を共有したいと思うものでなければなりません。

フルッタ商品を愛用する事でサスティナブルなサードプレイスを感じる事が出来る。

私は、フルッタフルッタをそんなブランドに育てていきたいです。